幸せまでの距離


「帰りはタクシー呼んで、二人でウチに 帰ろ?

メイちゃんの寝る部屋も、ちゃんと用意 するから」

カナデは、どうしてもまだ、メイと一緒 にいたいらしい。

「わかった……。

家に連絡しとく」

ここは、酔っ払ったトウマの声で騒がし い。

電話するため、メイが玄関を出ようとす ると、カナデが引き止めた。

「電話するんだったら、ベランダの方が いいよ。

ここ、玄関の方は電波悪いんだよね」

メイはカナデに勧められるがまま、リビ ングと続くベランダに出て、ミズキに電 話をした。

「……そういうワケで、今日は帰れない から」

『泊まりの着替えとか、大丈夫?』

ミズキは母親のようにメイを気遣った。

「こっちで適当に借りるよ」

『ならいいけど。

楽しんできてね』

「うん。じゃあ」

ミズキとの電話を終えると、タイミング を見計らったようにメグルから電話がか かってきた。

空いていたリビングの窓をそっと閉め、 メイは室内の様子を伺う。

トウマとカナデは、相変わらず楽しそう だ。

メイがベランダに出ているせいか、二人 の密着度は増している。

彼らの恋人モードを見て見ぬフリをし、 メイはメグルからの電話に出た。