幸せまでの距離


メイが少しずつ料理を口にする一方で、 他二名は完全に酔っ払ってしまった。

普段の悩みも忘れたかのように、どうで もいい話で馬鹿笑いし、盛り上がってい る。

冷静な目でその様子を見やり、メイは ケータイで時間を確認した。

“今日、帰るの遅くなるかな……”

ミズキが心配するかもしれないので、一 言メールを送ろうとしたら、カナデがテ ンション高く提案した。

「メイちゃん、今日、ウチに泊まって くー?」

「ううん、私は帰るから」

メイは断り、立ち上がったが、カナデは メイにまとわりつき、離れなかった。

「トウマもこんなんだから家まで送って いけないし、こんな時間に一人で帰った ら危ないよ?

最近、この辺で引ったくり出たし、近く の家に空き巣も侵入したんだよ。

こわくない?」

「……え?」

メイは硬直した。

ここへ来た時はまだ明るかった空も、今 ではすっかり闇に沈んでいる。

しかも、そんな物騒な話を聞いたら、丸 腰で帰宅するのは極めて危険に感じる。