料理の支度をしつつ、カナデはヤキモチ 混じりにトウマをたしなめた。
「可愛いからって、見つめ過ぎじゃな い!?
メイちゃんビックリしてるよー?」
「いや、そういうんじゃなくって!
メイちゃんって、穂積翔子さんに似てる からさ……」
「ああ! 私も入学式の時に思った!」
同意しながらもカナデは、入学式の日に メイから聞いた彼女の戸籍変更の話は口 にしなかった。
彼女なりに、メイに配慮してのこと。
しかし、当のメイは、自分の母親が穂積 翔子だと知られるのを覚悟していた。
「私、そんなに翔子に似てるの?
めんどくさ……」
メイはため息まじりにそうつぶやくと、 トウマをいちべつし、
「一応、翔子は私の母親だから、似てる のも仕方ないね」
と、不本意そうにシレッと返す。
「ええ!?
翔子さんの、娘!?
メイちゃんが!?」
トウマは大声で興奮し、
「握手してくれない!?
俺、昔から翔子さんの大ファンなんだ よ!!」
「私と握手したって、意味ないんじゃな い?」
メイのそっけない反応は気にせず、トウ マは一方的に彼女と握手をした。


