幸せまでの距離


買い出しを済ませ、トウマのアパートに 到着した二人。

菓子だけでなく、カナデは料理なども手 作りするつもりらしい。

カナデは、トウマに渡されている合鍵を チラリとメイに見せた。

《I》という文字を象(かたど)った、 ラメ加工のキーホルダーがついている。

トウマとお揃いの物らしい。

カナデはほくほくと笑む。

「これ、付き合ったばっかりの時に、ト ウマが買ってくれたの。

生駒カナデ。 池上トウマ。

私達の名前って、どっちも《イ》から始 まるでしょ?

だから、《I》のキーホルダーにしたっ て、トウマ言ってた」

カナデの中で、トウマへの愛は付き合っ た当時よりも膨らんでいるのかもしれな い。

「入るよー!」

カナデは言い、合鍵を使って扉を開け た。

「おかえりー!」

奥の部屋から、トウマの声が返ってく る。

同棲しているわけでもないのに「おかえ り」と言ってしまうのは、もはやクセな のだろう。