幸せまでの距離


昔、メイとリクの間にこんなことがあっ た。

二人がまだ、保育園に通っていた頃。

遠足に向かうバスの中では、男女でペア を組んで座らなければならない。

リクとメイは、それぞれ違う園児とペア になったのだが、ひょんなことから二人 はペアを組み、隣同士の席に座って遠足 に向かうこととなった。

なぜなら、メイが、最初ペアになった園 児のことを嫌がり、リクを頼るように彼 の腕にくっついてきたからである。

最初メイとペアになった園児は彼女に避 けられ困っていたが、引率者の配慮で、 メイは希望通りリクとバスに乗ることが できた。

こういった、園児による予想外の行動は よくあることらしく、園の先生達はすん なり対応していたが、リクにとっては驚 きと喜びの絶頂を感じる出来事だった。

どうやらメイは、最初ペアになった園児 と座るのは安心できなかったらしく、よ く知るリクと隣同士で座りたかったそう だ。

当時、つたない言葉でメイはそう説明 し、リクのそばを離れなかった。

リクはその時初めて、メイを守ってあげ られるのは自分しかいないのだと、自信 を持つことができたのだった――。