ミズキと別れ、リクは自宅に向かってい たが、やはりまっすぐ帰る気になれず、 近所の遊歩道に寄った。
河原沿いに設置された欄干に背中からも たれて空を見上げる。
遠くのビル群の明かりに負けじと輝く、 無数の星。
綺麗過ぎて、リクの目にはとめどなく涙 が溢れてきた。
ミズキといた時には流さないように我慢 していたが、今は一人。
誰も、リクの姿を見ていない。
夜だから人通りも少ない。
それをいいことに、リクはしゃくりあげ た。
翔子に聞いた過去の話。
メイが体験してきたこと。
彼女の実の父親が、今置かれている環 境。
「……何で、気付いてあげられなかった んだろう?」
中学の頃、突然メイに突き放されたこと があった。
当時は困惑し、ショックを受けることし かできなかったが、その理由も今なら分 かる。
“俺が、男だったから……”
男という性別に生まれてきただけで、す でにメイの心を傷つけていたのだろう。
性別の違いが二人をすれ違わせ、別れに 至らせたというのなら、一生、子供のま までいたかった。
“成長”などなければ、これほどまでに メイを傷つけずに済んだのかもしれな い。
彼女も、楽に生きられたのかもしれな い。


