けれど、彼から返ってきた答えはリクを失望させた。
「実際に犯罪犯さなきゃいいんじゃない?
あいつらも、ノリで話してるだけなんだし」
「それでも許せない!
あんなこと考えてる奴が、将来犯罪者になるかもしれないんだ!」
熱く語るリクを、彼は驚きのまなざしで見ていた。
リクは初対面の相手に強く言い過ぎたと瞬間で反省し、謝る。
「ごめん……。あんたにはあんたの意見があるよな……。
押し付ける気はなかったんだけど、つい……」
彼は一呼吸置いてから感心したように言った。
「18、19の男の言葉とは思えないくらい、立派だね。
いいんじゃない? そういう考え、嫌いじゃない。
法学部に入ったのも、過去に何かあったから?」
「まあね……。って、あんたも同い年だろっ!
てか、法学部なの?」
リクは彼に心の内を読み取られたような気がして少し気まずくなる。
「俺? 今年20歳になる。
高校卒業したばっかの頃、法学部行ける学力なくて、1浪したんだ。ここ偏差値高すぎだし。
周りは年下ばっかなんだろうな~って思ったら入学式出るのも憂鬱だったけど、君みたいな子に会えて良かったカモ」


