氷水を全身にかけられたかのように、 真っ白になる頭。
リクは心の中で、これまでの自分を責め た。
察しの悪い馬鹿な自分……。
真実を知ることばかりに躍起になって、 自分の思考力の低さを棚に上げてきた。
これまで目の当たりにしてきたメイの過 剰な警戒心を想起すると、リクは翔子の 話を信じ、納得するしかなかった。
「洗濯物を干すとき、何度かメイの下着 に血がついてるのを見かけててね。
まだ低学年なのに初潮のわけがない し……」
「それって……」
説明されるまでもなく、リクにも理解で きた。
「……保のせいよ。
あの人は私に見つからないようにしてた つもりかもしれないけど、証拠残しすぎ なのよ……」
弱々しくつぶやき、翔子は自分の体を抱 きしめるように腕を組んだ。
再婚した今でもそれは、翔子にとって苦 痛な過去に変わりない。
妻として愛されないどころか、夫が娘を 抱くなんて……。
「でも、自業自得かもね。
全て、私が悪いの。
メイを妊娠したと分かった時、一時の感 情に流されず中絶していれば良かった。
そうすれば、不幸な出来事を増やさずに 済んだのかもしれない」
翔子は、新しい幸せを見つけたことでよ うやく、自分の弱さやあやまちを認め、 正面から見つめられるようになった。


