「保の実家は金持ちでね。
多少のぜいたくも許されるくらい、毎月 ゆとりのあるお金を送ってくれたわ」
翔子は遠い目をした。
これまでメイが苦労してきたことを思い 出し、リクは怒りを覚えずにいられな い。
“じゃあ、なんでメイに服の一着も買っ てあげなかったんだ?
小学生の時、メイがどんなにお腹を空か せてたか……。
人の優しさに飢えていたか……”
だが、ここで反論しては話をうやむやに されてしまうかもしれない。
我慢して、リクは翔子の話に耳を傾け た。
「自分で苦労して稼いだお金ならともか く、そうじゃないからかしら。
保の両親から金銭的援助を受けること で、逆に私は散財癖がついちゃってね。
満たされない気持ちを埋めるように、養 育費を使い果たした。
結果、金銭的に困ることが多くなった わ」
「それを知って、おじさんはどう思うん でしょうね?
そういうお金、メイには一切使ってあげ てないんですよね。
メイのための養育費なのに」
翔子はリクの不快感を読み取った。
「そうね。でも、知られた所で私は痛く もかゆくもないの。
そういう立ち位置にいたから」
「立ち位置?」
「……保の親が、息子の元嫁にそんな大 金を送ってきた理由、分かる?」


