その日の放課後。
ビル郡を縁取るような赤い夕日を背に、 メイとカナデはバイトの面接に向かっ た。
近頃では、友人同士でのバイト応募で も、快く引き受ける企業が増えていると か。
昼休みに慌てて用意した履歴書を持参。
想像以上に気楽な面接に、メイとカナデ は呆気に取られた。
ゲームセンター奥のスタッフルームで、 面接は行われた。
面接官と言うには似つかわしくない若い オーナーが相手だったので、しゃべりが 苦手なメイはともかく、カナデは楽しげ に質問の受け答えをしていた。
合否の結果は後日、履歴書に書いたメー ルアドレス宛てに送られてくる。
その日二人は、タバコ臭い店を後にし た。
「うちら絶対受かると思うよ~」
「どうかな」
楽天的なカナデとは違い、メイは現実を シビアに受け止めている。
こんな無口で無愛想な自分がゲームセン ターで働くなんて、身の程知らずだと、 メイは思い知ったのである。
ダメだったらダメで、その時は他のバイ トを探そうと考えていた。
その後二人は、カナデが働いていたデー トクラブに赴(おもむ)いた。
面接の間に、黒へと塗り変えられた歓楽 街。
ホストやキャバ嬢の姿で溢れていた。
メイはカナデに付き添い、簡素な店内に 足を踏み入れる。
何も言わずに店を辞める女性も多いらし いが、カナデは違った。
「店長にはいろいろワガママや悩みも聞 いてもらったから、ケジメはつけたいん だ」
カナデは店長を呼び出すと、彼に直接、 仕事を辞めると申し出た。


