幸せまでの距離


ミズキは笹原からのメールを見

て、笹原に心配をかけてしまった

ことを申し訳なく感じた。

《今朝は、久しぶりに学生さんと

ああいう話が出来てよかったで

す。

何か困ったことがあれば、いつで

も力になりますよ。

また、研究室まで気楽に遊びに来

てくださいね。》

笹原からのメールに返信する前

に、ミズキはマナとシュンに話を

した。

遅刻した理由や、笹原教授と話し

たこと、そして、メイについて気

になることを……。

「ミズキちゃん、笹原教授のとこ

に行ってたんだね。

たしかに、あの時のメイちゃん、

様子がおかしかったもんね……」

シュンの誕生日会について打ち合

わせしていた日。

リクが病院に向かった後自室にこ

もったメイは、人が変わったよう

に発狂し、部屋の物を投げ散らか

していた。

シュンはその日バイトでおらず、

そのことを詳しく知らなかったの

で、マナはその時の様子を分かる

範囲でシュンに説明した。

ミズキも、補足としてリクの話を

する。

「メイ、リク君と別れたって言っ

てた。

あの子は平気な顔してたけど、私

はこのままじゃ良くない気がする

んだ。

……リク君と、近いうちに会って

話したいと思ってる」

「そんなことになってたん

だ……」

マナは悲しげに言った。

「私、メイちゃんが悩んでたり苦

しんでたの、何となく分かって

た。

シュンの誕生日会の打ち合わせの

日、色々訊かれたの。

でも、的確なアドバイスができな

くて……。

質問されても、自分の体験談でし

か物を言えなかった」

二人の話を聞いていたシュンは神

妙な顔で、

「もしかして、それって……」

と、メイが境界性人格障害である

可能性を指摘した。