朝食中、菜月に訊いたら、あの白 猫達は、おそらく捨て猫なのでは ないか、と、言っていた。
首輪の跡があるので、元々は誰 かに飼われていた猫である。
飼い主に会ったことはないので本 当のところは分からないが、おそら く、親猫が子供を生んだことで面 倒を見切れなくなった飼い主が捨 てたのだろう。
そうして様々な場所をさ迷い続け た結果、白猫達は星崎家の庭に やってくるようになった。
最初に見つけた時は綺麗な毛並み をしていたのに、栄養状態が悪い のか、最近では毛のツヤがじょ じょに無くなり荒れている。
捨てられた小さな命を前に、メイ は胸がしめつけられた。
幼い頃の自分を見ているような気 持ちになって……。
この時、メイは決めた。
自分で白猫を育てるため、バイト を探してみよう、と……。
そう決めた後だったので、このあ とミズキに頼まれたことに、メイ はためらいを見せた。
駅に向かう途中、ミズキはかしこ まった様子でこう切り出した。
「メイ。私の大学に、メイと会い たいって言ってる人がいるんだけ ど、近いうちに……学校帰りとか に、時間作れる?」
「私に会いたい人?」
一瞬メイはいぶかしげな目をした が、ミズキの知り合いなら変に疑 う必要はないだろうと考えた。
「ちょっと、考えさせて……」
「わかった。返事はゆっくりでい いから」
メイに負担を感じさせたくないた め、ミズキはあっさり引き下がっ た。
ミズキは、メイを笹原教授に会わ せたいと思っている。
昨日遅刻したミズキは、偶然にも 笹原の研究室で話を聞いてもらっ た。
その放課後のこと――。
午後の講義を終えたミズキは、マ ナやシュンと共にサークル部屋に 顔を出そうと学内の廊下を移動 中、笹原からのメールに気付いた のだ。
笹原ゼミにいる学生は皆、出欠の 連絡を取るため笹原と連絡先を交 換しているが、こうしてプライ ベートなメールをもらったのは初 めてのこと。


