幸せまでの距離


これでよかったと、メイは思っ た。

リクと関わっていたら、相手を傷 つけるだけでなく、自分も傷つ く。

皮肉な話だが、彼と別れたことで メイは、自分の中に巣くう正体不 明の化け物と向き合わずに済み、 気が楽だった。

長年付き合ってきたリクとの別離 は悲しくて寂しいものだけれど、 こういう痛みには慣れている。

決して、自ら進んで味わいたい類 の痛みではないが、自分は昔から 人に嫌われやすかったし、実の両 親とも離れ離れになった。

陰口や悪口を言われることなど、 日常茶飯事。

でも、何とかこうして生きてい る。

リクとの別れによるつらさなど、 長い人生の中で見たら短い出来事 なのだと、考えよう……。


白猫の相手をしてダイニングに 戻ったメイは、ミズキや菜月と共 に朝食を取ると、ミズキと共に家 を出た。

それぞれ学校に行くため、二人そ ろって最寄駅に向かう。