幸せまでの距離


新しい朝の日差しは、メイの悲し みをいっそう深くした。

窓の外に広がる景色はこんなにも 平穏なのに、メイは孤独に苛まれ る。

“どうして人間は、わざわざ男と 女に分かれて生まれてくるんだろ う”

メイはそう考えずにはいられな かった。

男女という性別の区別があるか ら、性犯罪が生まれる。

幼い子供や力の弱い女性が犠牲に なる。

卑怯な男性はまず、弱い者……女 性や子供を標的にする。

自らの罪を隠したり、それから逃 れるため言い訳を並べたり、最 悪、被害者を簡単に殺していく。

“人類の絶滅を防ぐために男女が 性を交えるというのなら、人類な んて滅びてもかまわないよ。

人間がいなければ、地球に優しい んでしょ?”

考えるほどに、気持ちが荒れた。

性行為があるから、人は悩む。

時に、被害者が生まれる。

性犯罪の加害者は、犯行動機を 『人間の性(さが)』だと開き直 ることもある。

それはまるで、『女性であること がすでに被害にあう理由なのだ』 と言われているようにメイは感じ た。

“そんな理不尽な話、ないだ ろ……!!”

女性として生まれた自分は、間 違っている?

この先も、自分の性を否定して生 きていかねばならないのだろう か?