幸せまでの距離


精神が作り出す部屋の中で、メイ はたくさんの男性を殺害した。

しかし、罪に問われることはな い。

全て、頭の中だけで行われたこ と。

現実世界で実行する気はない。

けれども、このままでは、実際に リクを殺してしまいそうだ。

現に、言葉で彼を傷つけ、別れを 選んだ。

離れたくないのに、離れたかっ た。

別れたくないのに、彼と別れた かった。

嫌いになりたくて仕方ないのに、 嫌いになれない……。


リクを殺す夢から目が覚めた朝 は、涙で頬が濡れていた。

もうリクに会えないのだと想う と、寂しくて。

殺すしかなかった自分が、あわれ で。

他の方法を見出だせなかった自分 が、情けなくて。

殺すしかなかった自分が、悲しく て。


リクと別れて二度目の朝。

過去を振り返ると同時に、メイは そういうドロドロした気持ちに胸 を圧迫された。

呼吸が苦しい。