けれども、自分が男性を受け入れ られない精神だというのも本当 で。
リクのことを想えば想うほど、自 分の中に生じた矛盾が大きくな り、メイを苦しめた。
メグルに言った言葉は、今の自分 を表現したもの。
戻れるものなら、何も知らなかっ た頃の自分に戻りたい。
父親や“あの男”にだけは、出会 いたくなかった。
あんな両親の元に生まれるくらい なら、天涯(てんがい)孤独の方 が良かった。
ミズキやメグル、清、そしてカナ デとの関わり合いの中、女性に対 してはだいぶ気を許し自分を見せ られるようになったメイだが、異 性に関しての意識は一歩も変わら ない。
むしろ、憎しみが募る一方だっ た。
もしも心の中を他人に見られるよ うなシステムがあったら、皆、間 違いなく自分から遠ざかるだろ う。
ただ道を歩いているだけでメイ は、通りすがりの男性を殺したい 衝動に駆られることがある。
いや、心の中で、何度も何度も殺 してきた――。


