「そうなんだ……」
カナデは迷った。
何があったかは知らないが、まさ かトウマとメグルが別れていると は思わなかったのだ。
「いまさら信じられないよ、そん な話」
カナデはトウマの手を振りほどこ うとしたが、トウマは彼女の唇を 奪うことで、自分の得を守ろうと した。
このまま“金づる”を逃す気はな い。
長く激しい口づけの後、トウマは 切なげにつぶやいた。
「……カナデも、俺を見捨てるん だな」
「トウマ…………」
「こんなに好きなのに、終わりっ て案外あっけないよな。
夢を応援してくれてたの、カナデ だけだったし、離れるのはやっぱ り悲しいな……」
それを聞いて、カナデは別れを踏 み止まる。
もう一度。もう一度だけ、トウマ を信じてみたいという気持ちが生 まれた瞬間だった。
カナデは喜びに頬を上気させる と、
「でも私、デートクラブやめる よ?
そしたら、トウマの生活費を出せ なくなるよ?
それでもいいの?」
「いいに決まってんじゃん。
今までつらい思いさせてごめん な。
俺も、頑張って何かバイト探すか ら。
これからもそばで応援してよ」
「……うんっ」
カナデはトウマに抱きついた。
もう、トウマとは金絡みの関係で はなくなる!
出会った頃の二人のように、まっ すぐな恋愛を頑張ってみようと改 めて思った。


