幸せまでの距離


「メグルちゃん……」

電車が去った後のホームで、トウ マは一人立ち尽くしていた。

次の電車が来るまで数十分あるの で、ホームには誰もいない。

「フラれたのか、俺……」

トウマは絶望的な気持ちになっ た。

周りの同世代はどんどん結婚し て、子供がいる者もいる。

トウマには夢があるので、結婚な どまだ考えられなかったが、メグ ルに関わったことでその意識はガ ラリと変わった。

永遠に添い遂げたい女の子。

カナデではなく、メグルのために 生きたいと思った。

カナデはたしかに金銭的な援助を して自分を支えてくれた。

彼女には甘えてばかりだったとい う自覚もある。

しかし、トウマの心は日に日に彼 女を拒み、今ではただの“金づ る”と化していた。

メグルは純粋にトウマの夢を応援 してくれた。

彼女のそばにいると、心があたた かくなった。

こういう気持ちを感じ続けたく て、人は結婚していくのかもしれ ない、と、トウマは思った。