「夢を持つのはとても素敵なこと ですけど、その前に、大切にする べきことがあると思います。
カナデちゃんと、もう一度向き 合って下さい。
あの子の話、ちゃんと聞いてあげ てほしいんです」
「もう、カナデの世話にはならな い。
メグルちゃんに、そばにいてほし いんだ!」
メグルと話しているうちに、トウ マの決意は固まった。
もう迷わない。
自分で生活費を稼いで、夢を目指 そうという気持ちになった。
メグルと一緒にいるためなら、何 でもできる、と……。
だが、メグルは彼の気持ちにこた えなかった。
むしろ、もう、彼女の気持ちは最 低ラインまで冷え切っている。
「これ以上、幻滅させないで下さ いよ……。
トウマさんがいなくても、あたし は平気です。
もう、こうやって待ち伏せしない で下さい……」
キッパリと自分の気持ちを伝え た。
ちょうど、目的の電車がやってく る。
それに乗り込むことで、メグルは トウマとのつながりを断ち切っ た。
トウマを置き去りにしたホーム が、視界の向こうに遠ざかる。
一人の女性を無下(むげ)にする トウマの神経が、メグルには理解 できなかった。


