幸せまでの距離


「メグルちゃん!

話を聞いて!!」

トウマは人目を気にせずそう叫ん だ。

駅を利用する人々が、彼をジロジ ロ見ている。

これ以上トウマと関わりたくな い。

メグルは彼を無視してホームに進 んだが、トウマは諦めなかった。

急いで切符を買い、改札口を抜け ると階段を上るメグルに追いつい た。

「カナデとはちゃんと別れる!!

もう、メグルちゃんに嫌な思いは させない。

昨日は、本当にごめん……」

「トウマさん……」

ホームに着くとメグルは立ち止ま り、トウマの顔を見た。

「俺には、メグルちゃんが必要な んだ。

……正直、カナデのことはもう何 とも思ってない」

メグルを失いたくないがために、 トウマは必死だった。

金と生活維持のため、しばらくは カナデをつなぎとめておくつもり だったが、それを失ってもかまわ ないと思うほどに。


「メグルちゃんといると、幸せな んだ……。

こんな気持ちになるの、久しぶり だった」

泣きそうな顔でつぶやくトウマを 前に、メグルの気持ちは激しく揺 れる。