「話すことなんて、何もありませ ん」
メグルは意識して冷たい口調で 言った。
「ハッキリ言って、トウマさんに は失望しました。
カナデちゃんのこと、ちゃんと大 事にしてあげて下さい!」
「メグルちゃん……」
立ちつくすトウマを横目に、メグ ルはパスを使って改札をくぐっ た。
切符を持っていなかったトウマは 改札を通れず、あたふたする。
「待って、メグルちゃん!!」
メグルは無視して、ホームへの階 段を上った。
たしかに一度は好きになった相手 だが、今さら彼と話すことなど何 もない。
カナデと付き合いながらもこちら に近寄ってきた不誠実さも嫌だっ たが、メグルがなにより許せな かったのは、トウマがカナデをな いがしろにしていたこと。
トウマの様子を見ている限り、お そらく彼は、カナデが裏で何をし ているのかを知らない。


