仕事を終えると、メグルはいつも 通り帰路に着いた。
今夜はやけに客が多かったので、 終始動きっぱなしだった。
普段より足がむくんでいる。
トウマとの関係が白紙に戻ったこ とはつらくもあったが、仕事が忙 しかったおかげで落ち込みっぱな しにならずに済んだし、メイの存 在が、メグルを支えていた。
メイの助言がなかったら、今頃カ ナデの言いなりになって自分を苦 しめていたに違いない。
仕事後、カナデに待ち伏せされて いるのではないかと思ったが、外 には彼女の姿はない。
仕事中、カナデが言っていたよう な変な電話が職場にかかってくる こともなかった。
“カナデちゃんと、もう一回会っ て話ができたらいいんだけ ど……”
そう思いつつ、実際に会って何を 話したらいいのかは分からない。
謝るだけに終始してしまいそう だ。
“そんなの、あたしの自己満足だ よね……。
カナデちゃんの傷ついた気持ち が、癒されるわけじゃない”
その気は全くなかったにしても、 自分がトウマと関わったせいで、 カナデを苦しめたのは事実。
メグルはそういった考え事を、仕 事に打ち込むことで紛らわせてい た。


