“それなのに俺は、ちょっとのこ とで傷ついて、悩んで。
周りが見えず、不幸な気持ちに なってた……”
これまでの自分の生き方を振り返 り、リクは自分が恥ずかしくなっ た。
周りのみんなは、つらい環境の中 でも泣き声を言わず、それを乗り 越えてきたのだ。
“それに比べたら俺なんて、思い 通りにならないと全てのことを否 定的に見て、感情的に突っ走って た……”
メイとの関係を両親に否定された 時、両親に関する全てを否定して いた自分。
リクにとって、メイとのつながり を否定されるのはつらいことであ り、許せないことだった。
メイとの関わりに理解を示された 現在でも、時々、不安になること がある。
何かの拍子に、メイとの付き合い を両親に反対されるのではない か、と……。
だが、それとは別に、両親に感謝 の気持ちを示していきたいと思っ た。
ここまで大きくなれたのは、他で もない両親のおかげ。
いつもそばにいるのが当たり前だ と思ったら大間違い。
それはメイや周りの友達に限ら ず、両親に関しても同じだとリク は思った。
素直なリクを目の当たりにし、食 卓を囲む義弘と正美はいつになく 幸せそうな顔をしていた。


