幸せまでの距離


山本とショウマが出会ったは、1 0年以上も前の話。

当時小学生だったショウマは、親 に買い出しを頼まれ、近所の大型 スーパーで買い物をしていた。

またもや理不尽なことで父に説教 を受けた直後だったのもあり、山 盛りに詰まれた商品のジャガイモ を両手につかみ、何個も何個も店 内に投げ続けた。

完全に八つ当たり。

苛立ちが頂点に達していたのだ。

父への怒りと家庭内での不快感を 晴らしたかったゆえの行動。

それは当然、店の人を巻き込み大 きな騒ぎとなった。

地元の小学生による、商品損壊。

ショウマの投げたジャガイモは、 傷が付き、売り物にならなくなっ た。

店側の人間は保護者に弁償させる ため、ショウマの家に連絡しよう とした。

店員に対し、無愛想に振るまいつ つも、ショウマは内心、家に連絡 されるのを恐れた。

このことが父にバレたら、確実に 顔面を殴られる。

いや、それだけでは済まないかも しれない。

青ざめるショウマに同情したの か、

その時、保護者になりすましショ ウマのピンチを救ってくれたの が、たまたま客として店に来てい た山本だった。

「私はその子の父親です!

息子が大変ご迷惑をおかけしまし た。

本当に申し訳ありません……!」