幸せまでの距離


「……ショウマはハッキリしすぎ てるから、こっちはハラハラさせ られるけど、だから信じられるん だ。

ショウマは絶対、ウソは言わない し、変にごまかさないもんな」

「それは保証する!

信用できない大人にはなりたくな いからね」

ショウマは自信満々に言った。

「『ハッキリせずにあいまいに濁 (にご)す』とか『お世辞で場を つなぐ』とかって、人間の弱さっ てやつを嫌ほど表してると思う よ。

ハッキリ言った方が最終的にはプ ラスになるのに、濁すことが美徳 だと思い込んでる人があまりにも 多い。

子供の頃はもっと素直に生きてた はずなのに。

場合によっては濁すことが卑怯な 手段になりえるんだって気付いて も、大人になると、誰もそれを責 めたりはしないし。

……世の中うまくできてるよな」

「うん。ほんと、そうだよ。

俺とメイがあいまいな関係で留 まってたのも、そういうのがある と思う。

……こわかったんだ。

メイに真っ正面から『付き合っ て!』って迫って、拒否されるの が嫌だった。

両想いになる前は、もっと素直に 言いたいこと言えてたのにさ。

メイとの距離が縮んでるのかもっ て感じるたびに、俺、臆病になっ てる……」

「散々批判した後にこう言うのも 何だけど、そういう弱さも、人間 らしさだと思うよ。

リクのそういうとこは短所でもあ るけど、逆に長所でもあるんだか ら」