「ここにもいないかぁ……。
まさかメイちゃん、飛行機乗った りはしてないよねー?」
ショウマは肩で息をしながら、冗 談まじりにそう言った。
「飛行機はないと思うけど。
搭乗手続とかいう面倒なこと、メ イはやりたがらないし」
答えつつリクは、闇に浮かぶ地平 線を眺めた。
リクとショウマは、メイが行きそ うな場所をあちこち走り回り、今 は南高近くの防波堤にまで来てい た。
静かながらも存在感を主張するよ うに、波の音が繰り返される。
防波堤に沿うように設置された蛍 光灯の明かりが、絶え間無く揺ら めく水面を照らしていた。
「……」
キラリキラリと輝くそれを見てい ると、不思議とリクの気持ちも落 ち着いてゆく。
「ちょっと、休まん?」
ショウマはそう言い、休みなしで 走り続けたリクを促した。
この数時間の間、二人は電車移動 を繰り返してメイを探し回った が、今のところ見つかっていな い。
メイ宅の近所はもちろん、大学周 辺やメイが昔住んでいた場所など も探したが、期待はことごとく外 れてしまった。
肉体的な疲れがピークに達してい たリクは、
「うん、少しだけ休みたい」
と、ショウマの横に勢いよく座 る。


