幸せまでの距離


「ちょっと前の話なんだ けど、私、マサヤと別れ たよ。

やっと今日、そのことを 二人に話す心の準備が出 来たんだ。

そしたら、ここまで来ず にはいられなくて、来 ちゃった」

アイリは今までで一番澄 んだ瞳で、照れくさそう にそう言った。

前に関わっていた時よ り、彼女ははるかに綺麗 になっている。

「そうなんだ、宇野くん と……」

ミズキはやっとの思いで そう反応する。

アイリがナナセに想いを 寄せていたことを、ミズ キは知っていた。

それに気付いていないナ ナセは、

「そっか……。本当に、 もう大丈夫?」

と、アイリを気遣う。

アイリがジムにいた頃、 ナナセはよく、アイリか ら恋愛相談を受けていた ので、なおさら彼女を心 配した。

マサヤは彼女であるはず のアイリに、ひどい言葉 を浴びせていたからだ。

けれど、別れてスッキリ したと言うように、アイ リは笑った。

「私はもう大丈夫だよ。

二人にはたくさん心配か けたし、迷惑もかけた。

本当にごめんね」

そう言い、頭を下げる。