幸せまでの距離


ミズキの大学最寄駅周辺を探した がメイはいなかったので、そこか ら更に電車移動し、二人の通うジ ムの最寄駅まで向かうことにし た。

ロータリーを抜け表通りを歩いて いくと、二人の通っているジムが 見えてくる。

時間帯にも閉店しはじめる店舗が 多い中、ジムの建物だけは今も 煌々(こうこう)と輝いていた。

「あれ?」

ナナセはジムの正面玄関を指さ し、

「あれ、アイリちゃんじゃな い?」

と、ミズキを見やった。

去年、ナナセと同じ日にジムに通 うことになった大垣アイリ(おお がき・あいり)。

彼女は一時、ひそかにナナセに好 意を抱いていたが、ミズキの同級 生・宇野マサヤ(うの・まさや) と交際中の身であったため、最終 的にはナナセへの告白をあきら め、マサヤと付き合い続けること にしたのである。