幸せまでの距離


過去に決別すべく、ミズキはヒデ トの背中を見つめた。

彼がいてくれたから、今の自分が あるのだ、と……。

ナナセは訊いた。

「……思い残すことはない?」

「ないよ」

ミズキは吹っ切れた表情で、

「メイを探そ」

と、ナナセの手を引いた。

ミズキは、過去の自分を……ヒデ トを傷つけてしまった自分を責め るのは、もうやめることにした。

「二度と、同じ間違いはしないか ら」

ミズキはナナセを見て言った。

それが、ヒデトに対するなにより の償いだと思って……。

「メイ、いないね」

それからしばらく、二人は自宅周 辺を探し歩いたのだが、メイは見 つからなかった。

「もしかしたら、電車で移動した のかも」

「そうだね」

ミズキは考えた。

メイの部屋には財布がなかったの で、電車で移動している可能性も 充分ある。

二人は最寄駅から電車に乗ること にした。

家を出た頃より、気持ちが焦る。