幸せまでの距離

リク達より一足先に家を出たミズ キとナナセも、メイを探してい た。

早足で、自宅周辺をくまなく歩 く。

家には自転車が置かれたままだっ たので、メイは徒歩でこの夜道を さまよっていることになる。

まだ、そんなに遠くへは行ってい ないはずだ。

灰色に染まる空からは、今にも雨 が降り出してきそうだった。

しめったにおいが漂ってくる。

帰宅ラッシュを過ぎたこの時間、 メインストリートを歩く人々の姿 も少なく、それがよけい、ミズキ の心を不安と後悔で締めつけた。

“メイ……。一人にしてごめん ね”

涙が出そうになるのを必死でこら える。

“今つらいのは私じゃない。

メイの方が、何十倍、何百倍とつ らいんだよ……!”

メイが取り乱した時に、なぜもっ と気のきいたことが言えなかった のだろう。

寝かしつけた後、どうしてメイの そばを離れてしまったのだろう。

「やっぱり、メイを一人にするん じゃなかった……。

メイに何かあったら、私のせい だ……」

リクだけではなく、ミズキもま た、自分を責めていた。

「何のために臨床心理士目指して るんだろう……。

講義で得た知識が、ちっとも役に 立たない。

悔しい、悔しいよ……」

そんなミズキの横顔を、ナナセは 悲しげに見つめる。