幸せまでの距離

『そっか、よかったじゃん』

リクの気のせいだろうか。

ショウマはそう返事をしつつも、 その言葉には感情がこもっていな い。

それに、外にでも出ているのだろ うか?

電話の向こうは、車の走行音や 人々の声でざわついている。

「それよりさ、ショウマ達、いま どこにいるの?

俺が病院に来たことで、シュン君 の誕生日会の話も中断させちゃっ た?

もう、解散してる?」

『ああ、うん……。それが……』

向こうで何かあったのだろうか?

黙り込むショウマに、リクは胸騒 ぎを覚えた。

普段、思ったことや言いたいこと をためらいなくポンポン口にする 彼が、口ごもるなんて。

「何で急に黙るの……?」

リクはそう尋ねずにはいられな かった。

不快に高鳴る心臓の音。

ためらうような間を置き、ショウ マは言った。

『……アカネちゃんとアカネちゃ んのお母さんには悪いんだけど、 リクさ、いますぐ戻って来られな い?』

「もう少し様子みてから、そっち に戻ろうと思ってたとこだよ」

『……メイちゃんがいなくなった から、いま、みんなで手分けして 探してる。

俺は今、駅前まで来てるんだ』

リクの全身から血の気が引いた。

胸騒ぎの理由が分かった瞬間だ。

「メイが!? みんなと一緒にい たのに、何で?

どうしてそんなことに!?」

『それが……。

リクが病院に行った後、メイちゃ んは一人で自分の部屋にこもっ ちゃったんだ。

ミズキちゃんが止めるのも聞かず に……』

「わかった! すぐ戻るよ!!」