幸せまでの距離

高校時代からの幼さを引きずり感 情的でもあるのに、胸の奥に落ち 着いた何かを抱えているリク。

少々危なかっしい所もあるけれ ど、男女平等に、誰にでもフラッ トに接するリク。

まっすぐ過ぎる彼は、心に決めた 女性を裏切ることはないだろう ――。

アカネは、リクの恋人になれたら どんなに幸せなんだろうと、想像 せずにはいられなかった。

軽くからかうような、でも、しっ とりとした口調でアカネは言っ た。

「……リク君って、優しいよね」

「そんなことないよ」

さすがに照れたリクは、はにか む。

昔からよく接してきたメイにも、 こうしてストレートに褒められた ことはない。

褒められたくてメイのそばに居る わけではないが、こうして良く言 われるのは決して嫌な気分ではな いし、くすぐったい。

アカネはさらに、リクを探った。

「リク君は優しいよ。

そうやって自覚してないとこ、す ごいと思う」

「普通だって。

自覚してたら変じゃん」

リクは頬をそめ、手を振った。

アカネは善意でそう言ってくれる のだろうが、こんなに褒めちぎら れるとさすがに恥ずかしい。