幸せまでの距離

メイはその言葉を飲み込む。

自分とマナを重ね、再度質問し た。

「……それなら、そのままでよ かったんじゃないですか?

どうして、『付き合う・付き合わ ない』の結論を出したの?

そういう形とか『彼氏・彼女』の 肩書きって重要ですか?」

メイの追求にマナは目を丸くし、 しばらく考え込んでみたが、明確 な答えは見つからなかった。

「わかんない。何でシュンと付き 合ったんだろう……?

……メイちゃんの言う通り、人の 気持ちって、『彼氏・彼女』の肩 書きに当てはめるものでもないよ ね」

マナはメイの境遇を思いつつ、言 葉を続けた。

「私も昔、いろいろあった。

つらいことばかり。悪い人ばか り。

生きてる意味なんて、見出だせな いって思い詰めてた時期もある。

だから、メイちゃんの気持ちわか るよ」

「マナさんもそういうこと考える んだ」

マナの言葉を聞き漏らさぬよう、 メイは意識した。

「考えたよ。小学生の時にはすで に、他人は敵だって思ってたし」

マナは恥ずかしそうに微笑する。

「でも、楽しいこともあるって 知ったの。

生きているのが嫌で、何もかも投 げ出したくなったりしたけど、あ の時死ななくてよかったって思っ てる。

シュンに出会ってなかったら、 きっと一生、私はこの光を見れな かった。

……あきらめなくて、よかった」

マナの言葉は、メイの心にずしり とのしかかった。