幸せまでの距離

ケーキについて話している最中、 ここにある資料だけでは足りない ことに気付き、ミズキはメイに頼 み事をした。

「メイ。悪いんだけど、マナと一 緒に私の部屋からケーキのレシピ 持ってきてくれる?

いつもの場所にあるから」

「わかった」

メイは淡々と返事し、無言でマナ を案内する。

ミズキは見守るように、リビング を出ていく二人の後ろ姿を見送っ た。

普段からメイは、ミズキと料理本 を見合っているので、本がしまっ てある位置もよく知っている。

一旦リビングを出たメイとマナ は、ミズキの自室に続く階段を 上った。

「メイちゃんが手伝ってくれて、 心強いよ」

マナはメイの背中に向かって言っ た。

「シュン、喜ぶと思う」

「…………」

メイは黙ってマナの言葉を聞いて いた。