幸せまでの距離


「なるほどねー、そういうこと かー」

ショウマはなにやら一人で納得し、 繰り返しうなずいている。

「なるほどって?」

リクは訊(き)き返した。

「アカネちゃん、リクと“特別 に”仲良くなりたいんじゃない?」

「それはないよ。メール見てもそん な感じじゃないし」

リクは、自分はそこまで鈍感で自惚 れ屋ではないと主張したかったが、 ショウマはそんなこと知らないと言 いたげに、

「ピンチの時に助けてもらうと、恋 が芽生えやすいって話、聞いたこと ない?」

「え? そうなの?

はじめて聞いた」

「あの時のアカネちゃん、財布無く して相当困ってたと思うよ。

その不安感のドキドキが、助けてく れたリクを前にして恋のドキドキに 変わったり……ってこともありえる よ~」

得意げなショウマに、リクはキッパ リと言った。

「そんなわけないじゃん。そういう 話、全然しないし」