パッと見た限り、見慣れない靴が3 人分はあった。
夕方になり冷え込んできた風を受 け、メイは小さく震える。
玄関の扉に背を預け、うっすらと星 が浮かぶ橙色の空を見上げた。
ミズキのことを信用しているし家族 だと思っているのに、こういう時、 メイはミズキに距離を感じてしま う。
中学時代にはすでに身についていた 人の輪に入れないクセ、ではなく、 完全に開けない心……。
たとえ家族の住む家であっても、そ こに他人が居ると入って行きづら かった。
マナもいるのだろうと思うとなおさ ら……。
近所の通りに人の往来が少ない時間 帯。
じっと座って時が過ぎるのを待って いると、屋内からはたびたび笑い声 が聞こえてきた。
ミズキ達はなにやら楽しげに盛り上 がっているようだが、メイは耳をふ さぎたい気分になる。
普段、親身に話してくれるミズキが 遠い存在に感じた。
こういう疎外感を、メイはこれまで 幾度となく感じてきた。
実母が恋人と別れるたびに八つ当た りされるのが嫌で、こうして何をす るでもなく玄関前で時間をつぶして いた空白で冷たい時もたくさんあっ た――。


