『あたしの毎日なんて平凡すぎてつ まんないんですよ~。
トウマさんみたいに、夢に夢中に なってる人ってすごいですよね!
絶対叶いますよ』
“彼女”はそう言い、接客の合間に トウマの話を聞いてくれた。
相席していた先輩の男性に『浮気は やめとけ。しかも年が離れすぎだ ろ』とクギを刺されたが、浮気だっ たらどれだけ良かっただろう。
トウマは居酒屋の彼女に本気で惚れ てしまったのだった。
彼女とは初めて会ったとは思えない ほど、会話や雰囲気、何もかもが しっくりきて、一度だけこのアパー トに来てもらったこともある。
だからといって、カナデのことを無 下にはできない。
今まで金銭的にも精神的にも支えて くれたカナデ。
劇団に所属しているとはいえ、大役 など全くもらえないトウマは無職同 然。
そんな自分に、カナデはもったいな いとすら感じたことがある。
ただ、居酒屋の子がトウマを好きに なってくれた瞬間から、トウマの中 に悪魔が住みついてしまった。
『金銭的な援助を受けるためだけ に、カナデをつなぎ止めておこう』 という損得勘定が働いたのだ。
カナデとは自然に距離を置き、完全 に別れることができたら、本命であ る居酒屋の彼女と堂々と付き合えば いい。
しかし、そうする前にカナデに“浮 気”がバレてしまい、トウマの計画 は失敗に終わった。
居酒屋の彼女がトウマのアパートに 来た時、
『こんなんでもあたし、一応名刺 持ってるんだよー』
と、浮かれた声で居酒屋の店名入り 名刺をくれたのである。
名刺だけならばまだ波風は立たな かっただろうが、彼女はその場で名 刺裏に自分のメールアドレスを書い てくれたものだから、机の上に置 きっぱなしにしていたそれがカナデ の目にとまってしまい、現状に至 る。
なんとか謝り倒してカナデとは別れ ずに済んだ。
しばらくはカナデに擦り寄っておく のが得策だと、トウマは判断したの だった。
トウマさんみたいに、夢に夢中に なってる人ってすごいですよね!
絶対叶いますよ』
“彼女”はそう言い、接客の合間に トウマの話を聞いてくれた。
相席していた先輩の男性に『浮気は やめとけ。しかも年が離れすぎだ ろ』とクギを刺されたが、浮気だっ たらどれだけ良かっただろう。
トウマは居酒屋の彼女に本気で惚れ てしまったのだった。
彼女とは初めて会ったとは思えない ほど、会話や雰囲気、何もかもが しっくりきて、一度だけこのアパー トに来てもらったこともある。
だからといって、カナデのことを無 下にはできない。
今まで金銭的にも精神的にも支えて くれたカナデ。
劇団に所属しているとはいえ、大役 など全くもらえないトウマは無職同 然。
そんな自分に、カナデはもったいな いとすら感じたことがある。
ただ、居酒屋の子がトウマを好きに なってくれた瞬間から、トウマの中 に悪魔が住みついてしまった。
『金銭的な援助を受けるためだけ に、カナデをつなぎ止めておこう』 という損得勘定が働いたのだ。
カナデとは自然に距離を置き、完全 に別れることができたら、本命であ る居酒屋の彼女と堂々と付き合えば いい。
しかし、そうする前にカナデに“浮 気”がバレてしまい、トウマの計画 は失敗に終わった。
居酒屋の彼女がトウマのアパートに 来た時、
『こんなんでもあたし、一応名刺 持ってるんだよー』
と、浮かれた声で居酒屋の店名入り 名刺をくれたのである。
名刺だけならばまだ波風は立たな かっただろうが、彼女はその場で名 刺裏に自分のメールアドレスを書い てくれたものだから、机の上に置 きっぱなしにしていたそれがカナデ の目にとまってしまい、現状に至 る。
なんとか謝り倒してカナデとは別れ ずに済んだ。
しばらくはカナデに擦り寄っておく のが得策だと、トウマは判断したの だった。


