幸せまでの距離


「翔子なんかより全然いいよ。

肌は綺麗だし、胸もまだ膨らんでない。

ここ、気持ちいいかな?」

「わかんない……」

「そう。じゃあここは?」


翔子が夜の仕事をするようになると、男は毎晩、眠っているメイの部屋に訪れ、むさぼるように幼い体に触れた。

メイが実の父親に性的虐待を受けていたことを、この男は知っていたのだ。

バーで知り合った翔子に、酒の勢いで離婚のグチを聞かされ、結果メイの存在を知った男は、翔子と付き合うために計算して動いた。

結果、こうしてメイの体を好き勝手に扱えるようになった。

都合が良かったのだ。何もかも。

一般家庭の少女に手を出したら、警察沙汰になるかもしれない。

翔子のように子供を可愛がっていない親に近付くのが、男にとって効率の良いことであった。


男はペドファイルである。

ペドファイルとは、13才以下の少年·少女に性的欲求を抱く者(小児性愛者)をさす精神医学用語。

彼はメイだけではなく、知り合いの男子児童にも性的な関わりを持とうとしたことがある。

その少年も、メイのように親に見放されていた……。