幸せまでの距離


そこまで一気に話し終えたショウマはおもむろにスーツを脱ぎ、その下に着ていたカッターシャツの袖をまくった。

「これっ……!!」

リクは飛び上がるようにして、シャツの下から現れたショウマの肌を見た。

二の腕の外側と関節の部分に、いくつもの切り傷の跡……。

傷の上に傷が刻まれたヶ所が複数ある。

「どうしたんだよ、これ!

もしかして……。ショウマ、自分でやったの!?」

ショウマはコクリとうなずく。

ほどよく筋肉のついた血色の良い健康的な腕。

それには似合わない、カッターで刻まれたのだと分かる物悲しい古傷達。

ショウマは、さらした傷をもう片方の手のひらでおおい、涙をこぼした。

「高校の時、隣のクラスの女子に告られてセックスに誘われたけど、できなかった……。

相手さ、みんながうらやましがるくらい可愛い子で、性格も良かったのに……。

それどころか、夢に出てくるのは男友達の裸ばかりで。

俺、頭おかしいじゃんってなって、

目が覚めるように、

女子を抱けるようにって、

わざと傷つけた……」

「それで、こんなに傷を……!?」

リクの声も悲しみに震える。