幸せまでの距離


居酒屋の開店時間まで、あと数時間ある。

準備中の札が立ててあったが、リクは顔パスで個室の席を用意してもらうことができた。

前にここでアルバイトをしていた実績から、リクは店長にも信頼されている。

ショウマはリクの後に続いた。

落ち着いた座敷の席。

メグルはオシャレなライトアップパネルを灯らせると、2人をそこへ案内した。

メグルは店内に入った瞬間仕事モードに切り替わった。

「遠慮せず、なんでも好きな物頼んじゃって!

まだ準備中だけど、用意できる物から持ってくるから。

リク君はアルコール以外ね。

友達には堅いこと言いたくないんだけど、これも仕事だから」

そう言い残し、メグルは開店準備をするため個室を出て行った。