幸せまでの距離


ひとつ年上だろうが関係ない。

“ショウマには、一言ガツンと注意しないと!”

メイに関してマイナスなことを言うショウマに腹が立つ。

リクが前のめりになるのと同時に、メグルの朗らかな声が広がった。

「卒業して進路もバラバラになっちゃったけど、メイが嫌がらない限り、メイはずっとあたしの大事な友達だよ。

高校の時もそうだったけど、メイは誤解されやすくて、同じグループの子達にもよく陰口言われてたけど、じっくり付き合ってみたら、きっとショウマ君にも分かるよ。

メイは不器用さで損するタイプなんだってこと」

メグルはどんな罪人でも許すような聖人さながらの心でショウマを見た。

「メイはね、今までずっと、ああいう風に振る舞うことで自分を守ってきたんだと思う。

まっ、この話はこれくらいにして……。

今夜はウチの店で飲まないっ?

二人とも今日は入学式だったんでしょ?

お祝いにおごるよっ」

メグルはショウマとリクを、自分の勤務先である居酒屋に誘った。