俺は矢野大牙、高二。

俺には中学から好きな奴がいる。

そいつの名前は大谷奏。

でもコイツは既に彼氏がいる。


その彼氏が山本竜弥。俺の親友だ。


付き合ってると聞かされたのは確か中学二年の時だった・・・。


『大牙!聞いて?実はね私と竜弥君、付き合ってるの!黙っててゴメンね』


心臓が止まるかと思った。

まさか、自分の片想いしてた奴が俺の親友の彼女になるなんて・・・ッ
この頃凄く弱虫だった俺が言える言葉、それは・・・


『そっか・・・。竜弥、優しいからな。くそっ、よかったな、竜弥!奏も!幸せになれよ♪』


ほんとーにダセーよ、俺・・・ッ


それから俺達は同じ高校に入学した。=あの二人を毎日見なきゃいけないって・・・

何かの罰ゲームかよ・・・ッ




「あ゙あ゙ぁぁ〜憂鬱・・・」

くそっ、二人とも俺の事は無視してイチャイチャしやがってッ!


リア充したいならどっか行け!!


・・・何て言えたらいーのに・・・

こんなんだから、いつまでたっても前に進めねーんだよな・・・


ハハッ笑えてきた。


「・・・・・・クン、大牙君!?大牙君!」


ハッ

「あぁ・・・ごめん。何、どーかした?」


「大牙君・・・、そんなに大谷さんの事・・・好き?」


ブッ

「ななな何だよ、いきなり!!」


こいつ・・・ッ


コイツは俺の隣の席の鈴城美夜。

学年の中で一番可愛い方だ。

俺だってまんざらではない。


正直、ドキドキ・・・って、

これは・・・恋か!?恋なのか?


「あのさ、大牙君。放課後、話したいことあるんだ。いいかな?」

話したいこと・・・?

「いーけど・・・俺、部活あるよ?」

「あっ・・・じゃあ、待ってていいかな・・・?」


「あぁ、分かった」


確か、来週テストあるから、今日は早く終わるって言ってたし。


「ほらー、席着け!」




キーンコーンカーンコーン

「じゃあ、行ってくる」

「うん!ありがとね」


・・・??

「何がだ?」

「ん?私のワガママ、聞いてくれて・・・」

あぁ・・・って!

「あれがワガママ!?」


ビクッ


「う、うん・・・。ダメだった・・・?」

「いや、ただビックリしただけ!今日は多分早く終わるから!」


「うん!頑張ってね♪」


・・・くそっ、笑顔が可愛いなぁ。こんちくしょう。




「あ゙あ゙ぁぁ!疲れた」

何だ、今日の部活!?
いつも以上に疲れたよ!?


「って、やっべ!鈴城が待ってるんだった」

忘れてたーッ!



ガラッ


「あっ・・・おかえり。部活お疲れさま♪」


ドキドキッッ

やっべぇ、心臓バックバク


「あぁ。・・・で?話って何?」


俺がそう言った途端に鈴城が顔を曇らせた。


??何なんだ?俺、何かしたか?
「・・・・・・あのね?高校入った時からね?ずっと・・・」

何か話し方がぎこちねぇ。

「うん。・・・私、矢野君・・・ううん。大牙君の事が好き!」


・・・・・・えっ?


「まっマジ!?」


高校入った時からって・・・ッ


「・・・やっぱ、無理・・・だよね?」


「えっ・・・?」


どうしてだ?


「だって、矢野君・・・。大谷さんの事・・・好きなんでしょ?」

ドキッ


ばれてたのか!?

「・・・まぁな。でも、彼氏いるし、そこまで引きずってねぇけど」


むしろ、何か鈴城が気になるってゆーか、何とゆーか・・・


「すきだよ?」

「ふぇ!?」


・・・はっ?今、俺、なんつった?

「えっ?あっ、その、あのね?えっと、ね?気を、気を使わなくていいよ?」


「あっ・・・」


「だからね?その、きもちは、ね?大谷さんに、伝えて?あの、だから、もぅ。///」


すげぇ、慌ててる・・・。


そんなに、俺の事を・・・?



「嘘・・・ではないよ?」



「・・・・・・えっ・・・?」


俺はこいつが好きだ。


こいつは、誰にも渡さねぇッ!