「やぁ!君が森田くんかね?」 「はい」 「どうぞ、そこの椅子におかけなさい」 小屋の中にはシルクハットとステッキが似合いそうな初老の男性がいた。 「私は田中です」 田中さんは鼻メガネの奥の目を細めて微笑んだ。 「いやぁ…先週ここに来てみればポストの中に新聞以外のものが入っていて驚いたよ。私は広告は取らないのでね」 田中さんは電気ポットからお茶をついで、俺の前にトンと置いた。 「君はここの夜間警備員をしてくれるのだろう?」 「はい」