「はぁ……」 ため息が白い煙となって俺の前を漂う。 冬、真っ只中である。 制服の上にコートを羽織っただけの格好で夜道を急ぐ。 電灯が照らす道を早歩きで道なりに進めば、突き当たりが 「でっけぇ…」 真っ白なお屋敷だ。 俺は自分の身長の倍はあるだろう、屋敷の門を震える手でゆっくりと開ける。 キィ… いつかと同じ、鉄のきしむ音がして、自分だした音に少し驚きながら門のすぐ隣の小さな小屋に入った。