未定。

そんな会話をしながら歩き、学校が近づいてきた。
今日もまた、いつも通り時間が過ぎて、1日が終わるんだろうな。なんて考えながら、さえと一緒に校舎に入った。
1-Aの下駄箱に行き、靴を取り替えて教室に向かう。廊下にある開いている窓から来る秋の風が心地良い。
「あっ…」
あたしの目線の先には、晃流先輩がいた。
思わず声を出してしまったため、さえが不思議そうな顔こっちを見る。
「どうかした?」
聞かれてしまった。苦し紛れの言い訳を考える。
「いや、数学の教科書持ってきたっけと思って…」
「そっか、実遥が忘れ物なんて珍しいね。」