高橋はあるドアの前で止まった。
そのドアをゆっくり開け

「入って」

あたしは言われるがままに
中へ入った。



ここは【生徒指導室】。

ちょっとヤバめ・・・


室内には2つの長机がくっ付けてあり
その周りに規則正しく並べられた
4つの椅子。

あたしは近場の椅子に座った。

すると、高橋がドアを閉め
あたしとの反対側の椅子に座り、
対面する形になった。


「遠藤」

「・・・はい」

「何で呼ばれたかわかるか」


―――キーン

―――パァー、パァー


放課後の部活の音。
静まり返った室内に煩く響く。

「・・・わかりません」

絶対態度のこと。

分り切ったことを聞く高橋に
ちょっと反抗。

「そうか、自覚がないのか」

うっ、その言い方は何かヤダ。

あたしが無自覚天然野郎、
みたいな言い方。

つかそんな目で見てるし。

「はあー」

高橋は軽く目を瞑り
わざとらしく大きなため息を吐き、
面倒臭そうに口を開いた。