愛し愛されたい[短編]




周りからは応援されていた。
祝福もしてくれた。




………なのに彼が総長になった瞬間何もかも変わってしまった。






そんなこと思いながら教室へ向かった。
中に入ると女の子達に一斉に睨まれた。



仲のよかった友達もみんな…私を睨んでくる。




そんな視線に耐えながら私は席についた。
しばらくすると毒蛇副総長である一条和葉(イチジョウカズハ)が来た。
彼とは唯一毒蛇幹部の中でまともな人で同じクラスだ。



彼が来ると同時に私への視線が無くなる。





和「香也(カヤ)、おはよう。」



香也とは私のこと。
私の名前は南(ミナミ)香也。
毒蛇の人達には香也と呼ばれている。



「おはよう。」



和「…大丈夫か?」



「平気だよっ。
こんなことくらいへっちゃらだしね!!」



和葉だけが私の現在の状況をわかってくれている。
周りからどんな目で見られてるかとか、私の心情とか……。
洞察力も喧嘩も優れている彼がどうして毒蛇に入っているのかがよく解らないほど凄い人だ。



学校では基本和葉としか喋らない。
代久とは同じ学校だけど話し掛けない。
ってか代久は他の女と一緒にいることが多いから私は倉庫でしか喋らない。
でも倉庫に行っても代久はすぐに私を置いて何処かへいく。




……おそらく女を抱きにか喧嘩をしに行っているんだろう。






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