愛し愛されたい[短編]





父「毒蛇の連中と付き合い始めたと知ったとき、傷つくのは香也だと思った。
家の事がどうとか言ったが…そんなのはどうでもよかった。


俺たちはただ…香也が傷つく姿を見たくなかったっ……。



家から出て行けといえば別れて帰ってくる…そう考えたが帰ってこなかった。
俺たちにとって香也は本当に大切なんだ…っ。

手離しといて何言ってんだって思うかも知れないが本当に…大切だったからこそ目を覚まして欲しかったんだ…。」




お父さんの隣りでお母さんは声を殺しながら涙を流していた。
初めて見たそんな親の姿に私は何も言えずにいた。




母「香也をっ……救ってくれたのはあなただったのね…

………ありがとう。」




初めて聞いた親の本音に私も涙がでてきた。
そんな私の背中を和葉がさすってくれた。



「お父さん…お母さん……ごめんなさい。



……ありがとうっ。」






それからしばらく泣き続けた。


無事和葉との事を認めてもらい、和葉について行くことになった。
泣き止んで少し話をしてから家を出た。






父母「「いってらっしゃい。」」




二度と聞けないと思っていた言葉にまた涙がでそうになった。






「っ……いってきます!!」







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