知らない闇と、骸



とにかく、その鞄に宝箱と分厚い本を二冊投げ入れた。
学生の革鞄みたいな形で、そのサイドにはポケットが二つ着いていた。

「相変わらず、私って護身用の武器もってないのよね。」

紺色のブレザー、特殊加工のYシャツ、赤と黒チェックのネクタイ、同色の太もも丸見えスカート、黒のガーターストッキング、リボンローファ。
それから先ほどもらった、かばんという姿で屋敷内を徘徊中。



太ももに隠しいれておいた、タトゥーが惜しげもなく公開されている。
廊下の壁にかけられた、有名人の写真。
夜中になると彼らはおしゃべりを始めるらしい。
幼いころはよくそれで怯えていた。


「お前って・・・。」
「何よ?」
書斎に向かう途中、ジロが声をかけてくる。