私はその時、単純に考えていたんだ。
それで、二時間くらいカラオケで歌った。
桐野蓮は一曲しか歌わなかった。
だいたい海斗がマイク独占してた。
桐野蓮は、海斗がおごり!とか言ってたくせに、桐野蓮がトイレ。とか言ってカラオケ代払ってた。
ふぅん。
優しいじゃん。
私も払っとけば良かったかな。
カラオケへ出た時、7時になっていた。
真っ暗で、寒い。
杏梨と海斗は、手繋いでた。
リア充だなー。
「寒い!」
私は言うと、桐野蓮がつけていたマフラーを巻いてきた。
「な、、!なにすんの?」
びっくりした私は、桐野蓮を睨んだ。
「別に…寒いって言ったからお前に貸してやっただけだけど?」
なに?その上から目線。
まぁ、悪気はないんだよね?
「ありがと。」
ちっさくボソッとつぶやいた。
「か…いい。」
桐野蓮もなんか聞き取れない声で、なんか言った。
「なに?なんて言った?」
私が聞くと答えてくれなかった。
なんて言ったんだろ…?

